意識の解像度を上げる
こんにちは!
パーソナルケア アインの畠山です。
私は懐かしい曲を耳にすると、不思議と気持ちが高揚し、身体がふっと温まるような感覚になります。
それと同時に当時の思いがフラッシュバックするように記憶の引き出しが開き始めるのです。
曲はアニメの主題歌が多いのですが、当時の自分が何に夢中になっていたか、何をしていたかを自然と思い出させてくれます。
永井真理子さんの「ミラクル・ガール」は、アニメ「YAWARA!」のオープニングテーマ曲です。
私はこの曲を聞くと、主人公が柔道で活躍するシーンよりも先に、弥生祭(私の母校の高専の文化祭)で出展するための簡単なミニゲームをビジュアルベーシックの言語を使って作っていた記憶が鮮やかに蘇ります。
あとからしっかりとストーリーの記憶も蘇るのですが、それよりも、その時自分が集中して取り組んでいた行動の方が蘇りやすいのですね。
当時は楽しいというよりも、放課後遅くまで残って出展する人達に混ざって必死で作っていた記憶しか残っていません。
それはゴルフのドライビングコンテストのようなゲームで、風の強さに対してパワーゲージを自分で操作するという簡単なプログラミングだったのですが、慣れない言語とプログラミングと格闘しながら一人ヒーヒー言いながら作っていました。
なぜ自分がその担当になったのかは全く覚えていませんが、優しい先輩に教えてもらいながら作業したその部屋にかかっていた曲の中に、この「ミラクル・ガール」がありました。
他にも色々な曲がかかっていましたが、不思議なものでなぜかこの曲だけが記憶に残っていました。
こんな風に音楽が記憶を呼び覚ますように、身体も日常的な「慣れた動き(癖)」に流されてしまうので身体を変えたいと思う人は「意識する」ということが大切になります。
ただ、意識をしたからといってすぐに思うようにコントロールできるわけではありません。
仮に一度できたとしてもそれを繰り返し再現するのはさらに難しいものです。
感覚は本当に難しいです。
声を出すことから始まり、声に気持ちを込める感覚など身体のことを考え始めてからかれこれ30年ぐらい経ちますが未だに難しいのです。
ただシンプルに見えているものがあるとするならば、身体は「中心を意識して使うことが大前提である」ということです。
そしてもう一つお伝えしたいのは、「意識とは、筋肉を収縮させて身体を固くして使うことではない」ということです。
この考え方から外れなければ、手や足に掛かる負荷が多くなりすぎて不調になるようなことはないと言い切れます。
つまり足や膝や手などになんらかの痛みが出てしまう人は、内臓などの疾患が見られないのであれば身体の使い方を意識すれば必ず改善するということです。
先程もお伝えした通り大切なのは身体の中心の意識です。
私がよく言葉にしている「丹田の意識」です。
本日は、身体を動かしながら意識の感覚の発見をしてもらえたらと思います。
それでは本日のテーマ『意識の解像度を上げる』にいってみましょう!
では、まず初めに意識をすることから始めていきましょう。
身体の中心はお腹にある丹田が目安です。
正確な位置としてはお臍から指3本くらい下の位置にありますが、ここは正確な位置を決めすぎないでいいでしょう。
決めすぎてしまうと返って力みが生じてしまう可能性があります。
身体を操るのに固めてしまうイメージは必要ありません。
どちらかといえばその逆の、力を抜く脱力の意識や重力に身体を預ける意識の方が大切です。
それではまず立ち姿勢からいきましょう。
以前掲載した「立ち方のヒント」を参考にして下さい。
ここで難しいのは足に対しての体重の乗せ方です。
体重の重みを一番受けるのは、足のツボで示すなら小腸の位置が目安でしょう。
そして、足先側に進んだところにある太陽のツボの位置に足の指があるイメージで、床を掴む感覚を意識してみてください。
足指には力を入れすぎない方がよいでしょう。
そして立つ時に最も意識してもらいたいのがハムストリング筋(太ももの裏側にある3つの筋肉(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)の総称。以降ハムスト省略)です。
この筋肉が足裏の部分と連動して意識できるとより理想的です。
基本的には丹田を床に預ける意識ができていると、必然的に足裏とハムストが意識できているはずです。
丹田の意識がうまくいかないと、ハムストよりも横側の筋肉か前腿の筋肉に力が入る傾向にあるようです。
この場合、足に掛かる力は外くるぶしに力が集中しやすい方が多いように思います。
立っている状態で外くるぶしに力が入っていると感じた方はその場で足踏みをして下さい。
足の力は極力抜いて丹田を床に預けるイメージを持ちます。
そしてなるべく中心線をイメージします。
そうすることで自然と重心が真ん中にいきます。
意識が変わらない場合は足に力が入っていることが原因だと思われます。
その場合は一度椅子に座り上半身の力を抜いて、座ったまま上半身を前に投げ出すように上半身を預けます。
そこからお尻を上げて骨盤が立った状態にします。
さらに、そこから背骨を下の方から一個一個乗せていくイメージで上半身を起こしていきます。
この時も気をつけておきたいのが足の脱力です。
横側の筋肉や前腿は脱力しハムストを意識しながら行って下さい。
ハムストを床に預けるイメージを持って、上半身は丹田の上に乗せるイメージです。
決してお腹や周りに力を入れて身体を起こさないで下さい。
その起き方をしてしまっては結局身体に力みを持たせたままで立った状態になるからです。
この背骨を一個一個乗せる意識が大切なのです。
そしてこれは、ゆっくりとした動作で行うのが最も効果的です。
この動作が早すぎると丹田の意識に連動させるのが困難になります。
本日の一番のポイントはここかもしれません。
背骨を丹田に対してゆっくりと一個一個乗せていきましょう。
この時上半身は脱力をします。
これはイメージとして例えるならレンガブロックを下から順に積み上げていく状態です。
身体に力が入り固くなった状態で上半身を引き起こすことは、レンガを力が掛かる方向に少しずつずらして積み上げていくようなものだと思って下さい。
頭の位置まで斜めに積み上げようとしたらどうでしょう。
当然、途中で倒れてしまいますよね。
これを身体に置き換えても倒れてしまうことが容易に想像できます。
ですが人は無意識にバランスを取ろうとして足を踏ん張るのです。
実はこんな時、レンガの間を埋めるセメントは筋力ではなく呼吸です。
深い呼吸、つまり腹式呼吸を意識することが体軸に繋がり身体の維持をサポートするのです。
逆に、呼吸が浅いということはレンガの間の繋ぎであるセメントがない状態です。
そして丹田の意識として体軸のプラスアルファになるものが「脱力した掌を外に向ける意識」です。
この意識は背中の積み上げの意識ができている状態であれば有効に発動する意識です。
例えるならばこの意識は、レンガの周りにもう一つレンガを追加して上に積み上げやすくする補強の役割を果たします。
ただしこの手は曲者でして、手の先だけに力が集中してしまうと先程とは逆の効果になるのです。
丹田の位置から周りに置いたレンガは丹田の上に逆ピラミッドのようにレンガを乗せてしまうのです。
その積み重なりは力と年月でどんどんと増していきます。
そしてバランスの悪い状態になった上半身がどうなるかはもう想像がつくことでしょう。
そんな状態の上半身を一手に引き受ける場所が足なのです。
つまり手や肩や背中に力が入った状態になってしまうとバランスを取ろうと足が踏ん張り、身体を立たせようと頑張りすぎる訳です。
何にもしてないのに足が痛くなるという心当たりのある方は、上半身に力が入りすぎていると理解してみてください。
上半身を固めてしまうと、身体に色々な悪影響があります。
バランスを取るために頑張る足まで固くなっていくとやがて腰痛になり、肩が固まり始めると四十肩になり、手を固めすぎると腱鞘炎になったりします。
そして上半身を固めてしまうことで一番深刻になるのが精神的な不調です。
身体が固まってしまう大きな要因の一つが浅い呼吸であるのは言わずもがなですが、その状態は結果として身体そのものの活動を弱める入口になり得ます。
そうなってしまうと自己免疫力は低下して、ストレスすら跳ね除けるのが困難になるからです。
現代のストレス社会において健康を維持するには身体を意識することは必須条件だと私は感じています。
長くなってしまいましたが本日のテーマ『意識の解像度を上げる』は以上になります。
感覚は目に見えないものですが、何かに例え、わかりやすくすることでそれを理解して鋭敏にすることは、実際に身体を動かして筋肉を作ることと同等の価値があります。
こんな風にあれこれと考察しながら、身体を理解することはとても楽しいことなんだなと改めて実感しています。
皆様もこれからも私と一緒に身体を理解していきましょう。
あなたの身体がもっと使いやすくなって、毎日が充実した1日になることを切に願っています。
何か分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
本日の癒し画像 
この時期になると一度は浴びたくなるイルミネーションの輝き
