寝違えは枕が要因じゃない…かも


十数年愛用の何処にでもある低反発枕

こんにちは!
パーソナルケア アインの畠山です。

最近急に湿気が多くなり体調を維持するのが難しくなってきたように思います。
特に夜は蒸し暑さで寝苦しさを感じやすく寝つきも悪くなりがちですが、
だからといって空調を付けてしまうと風邪を引きかねません。

そうすると、暑さのために就寝中の寝返りの回数が増えるのか寝違えを訴える患者様が多くなってきたように感じています。

私自身は有難いことにここ10年ベッドで寝違えたことは一度もありません。
(というか正しくは記憶にありません)

唯一寝違えの記憶にあるのは丁度40歳になった年、夜行バスに乗った時にそれは起こりました。
その時は座ったままで寝ていたから寝違えたのだと思いましたがその状況は夜行バスに乗った時だけに起こるものだったのです。

2回目の夜行バスでも同じように寝違えてしまったため、これは歳のせいなのだと諦めしばらく夜行バスには乗らないようにしていたのですが、その後どうしても乗らなければならない状況になりやむを得ず三回目の乗車となりました。

その日は寝違えてしまっては到着後の行動に支障が出てしまうと思い、リクライニングを全開まで倒して寝ることにしました。
これまでは後ろに座っている乗客に申し訳ないと思い殆ど倒してこなかったのですが、この時ばかりは致し方なく意を決しました。

するとどうでしょう、見事首を寝違えなかったのです。

その時は、リクライニングのお陰だと思い深く考えなかったのですが、以前の記事「寝姿勢を私なりに考える」を書く際に身体の構造を考えて姿勢検証などをした結果、一つのポイントに着目することが重要だと考えました。
その記事では寝姿勢は枕の高さよりも身体の力みを無くし身体に掛かる圧をしっかりと分散させることの重要性を伝えましたが、今回はそれよりも更に検証と考察を繰り返していくうちに二つの部位的ポイントに絞ることが出来たので、それにより寝違えの予防にもなるのではないかと思い本日のテーマに至りました。

それでは本日のテーマ『寝違えは枕が要因じゃない…かも』にいってみましょう!



さて、
「寝姿勢を私なりに考える」でもお伝えした通り力みなく身体を均等に使っていれば腰や首に負担が掛かることはまずありません。
ですが逆に身体のどこかが固くなっていると身体はバランスを取ろうとして固くないところまでも固くしてしまいます。

首を痛めないための重要なポイントは背中と股関節です。

まず背中ですがこちらは寝違えの対処法としてよく挙げられているのが鎖骨周りや肩周りをほぐすことを念頭に背中周り(正確には脊柱起立筋)を柔らかく保つことです。

次に、股関節は特に外側の筋肉、大腿筋膜張筋を固めないことです。
股関節は内側の柔らかさも重要ですが外側の筋肉の方に重きを置く方がいいでしょう。

この筋肉は立ったり座ったりする時に非常によく使います。
ですから固まりやすい部位でもあります。

なぜここの筋肉が首の筋肉に影響を与えるかと言いますと寝姿勢の時にお伝えした「力みなく身体を均等に使うこと」が結果として首を固めないようにしてくれるからです。

もちろん就寝時の枕の高さは寝返りを打つためには重要ですし、首のアーム(湾曲部分)に対して枕がしっかりと触れるようサポートしていることも大切ですが、それよりも首は丹田を中心に対称的な部位に位置する股関節や足がしっかりと柔らかさを保っていることの方が重要だと私は考えます。

寝違えないようにするための予防として効果があるのは背中と股関節の柔らかさを保つことなので、ここからは予防としてのケアを紹介していきましょう。

■ 背中のケア
「寝姿勢を私なりに考える」の記事でもお伝えした床面に対して大の字に寝そべって背中を床面に預けるようにします。
この時立て膝の姿勢をお勧めします。
この姿勢は丹田より下の下肢側を均等に使いながら丹田への呼吸を安定させる(深い呼吸)には丁度いいからです。

足が大の字だと丹田に呼吸が伝わりづらいので上半身に力が入りやすい方は一度身体を床に預け全身を大の字にして全身の脱力をまず身体で覚えることをおすすめします。

身体を均等に保つには丹田で呼吸を安定させることは最優先事項です。
その感覚が身体をリラックスさせ易い状態にしてくれるからです。

■ 股関節のケア
続いて股関節のケアですが、こちらも先程と同じように床に寝そべって立て膝をします。
この時、手は丹田の位置に丹田をイメージしやすいようにサポートする感覚で軽く乗せます。
そして立て膝を右にゆっくりと自重で倒していきます。

ここで大切なのは力任せに倒さないことです。
ここで力んでしまうと外側の筋肉は伸びにくくなります。

そしてここでは丹田のイメージ(深い呼吸)が使えているとより大腿筋膜張筋を伸ばすことができます。
このイメージが難しいようであれば、足裏の床面の位置を足裏一つから二つ分外の位置に置いてみましょう。
すると立て膝を倒した時に大腿筋膜張筋の伸びを感じやすくなります。

ただし、この方法に慣れてしまうと丹田のイメージが疎かになりがちになるので、大腿筋膜張筋が伸びる感覚が掴めたら足裏を元の位置に戻して自重で伸ばせるように正しい感覚を身につけましょう。


丹田のイメージが常に使える状態にできると、どんな姿勢であっても以前ご紹介した『身体に梁を立てる』イメージを持たせやすくなります。
ここのコントロールが自在に出来てくると立ったり座ったり歩いたりといった動き全てが楽になってくるでしょう。

少し話が先に進んでしまいましたが、身体は丹田を中心にバランスを保とうとするものなのです。
ですから身体の一部を固く使おうとすると丹田を中心に反対側の身体を固めやすくなってしまいます。
このメカニズムが頭の中で理解できてくると身体のケアの仕方も自ずと見えてくるでしょう。

本日ご紹介した背中と股関節のケアを行ってご自身で実感してみてください。

本日のテーマ『寝違えは枕が要因じゃない…かも』は以上になります。



大腿筋膜張筋のケアは筋肉が固すぎる場合、今回ご紹介した自重でのストレッチを行うのは難しいかもしれません。
そんな時はテニスボールを当てて痛気持ちいい強さで筋肉を緩めてみましょう。
ご自分に合った方法を試してみてください。

あなたの身体がもっと使いやすくなって、毎日が充実した1日になることを切に願っています。
何か分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。



本日の癒し画像



初めて見る両国国技館よりも雲のコントラスト(笑)