整体と呼吸と私-ヒントの素①-
こんにちは
パーソナルケア アイン代表の畠山です。
前回の『呼吸のヒント -ややトレ②-』はいかがだったでしょうか。
今までにやったことのないトレーニングだったと思います。
ゲーム感覚で楽しんでやってもらえると効果が高いので試してみてくださいね。
さて今回は『整体と呼吸と私-ヒントの素①-』と題して、少し趣向を変えてお届けします。
色々とトレーニング内容をお伝えしていく上でなぜ呼吸が必要なのか、それから呼吸のその次のステップに進むためにはどうしたらいいか考えた結果、過去の体験を交えてお話しした方がよりトレーニングの目的や効果が伝わると考えました。
お茶菓子でもつまみながら読んでいただければ幸いです。
それではお付き合い下さい。
整体師になる前のお話
整体師になる前は声の仕事をしていました。
いわゆる声優という職業です。
さて声優に必要なものはなんでしょうか。
『いい声』
『お芝居の上手さ』
これも確かに重要ですが、もっと下支えになるものは何かと考えた時に『呼吸』だと思いました。
呼吸は言葉の『伝える』や『伝わる』をより鮮明にしてくれるエレメントだと私は思っています。
そして言葉は日常のコミュニケーションにおいて必ず使うツールです。
この必要不可欠なツールが今まで以上に使いやすくなり、相手に思いが伝わりやすくなれば喋ることが楽しくなり、もっともっと使いたい!となるはずです。
それ以外にも呼吸が整うと他にも色んな恩恵があります。
■一般的に知られている恩恵
・心が落ち着く
・イライラしない
・ストレスが溜まりにくい
・血行がよくなる
■個人的に実感する恩恵
・安眠がとりやすい
・感覚が鋭くなる(視覚以外)
・身体が使いやすい
と恩恵は様々です。
では、その呼吸が整わないまま発せられた言葉はどのように伝わるでしょうか。
また、呼吸を整えることが出来れば『時間』の恩恵をも手に入れることが出来る、という2つのテーマについてこの後体験談をもとにご紹介します。
声の専門学校で得た教訓
私は二十歳の時に岡山から上京して声の専門学校に入りました。
気持ちは前途洋々でした。
というのも上京する前にその学校の通信講座を受講していたため準備万端だったからです。
序盤の授業では、喋る時の基礎的な無声化や鼻濁音など、最初の難関があります。
特に私のような西の出身者には大敵です。
ですが私は学校では苦労はしませんでした。
その後の課題である「外郎売(ういろううり)」なども模範生に選抜された程のレベルで演じることが出来ました。
※外郎売とは・・・
もとは歌舞伎の演目ですが、滑舌練習の一つとして一般的なアナウンススクールや演劇学校で広く取り入れられています。
通っていた学校では言葉を発するだけでなく、身振り手振りなどを入れてひとりひとりが皆の前で発表することが通例でした。
一年の締めくくりは、1時間程度の舞台を上演します。
私はクラスの選抜メンバーとして出演しました。
と、そこでの出来事です。
公演後に、ある演出家の一言で私は打ちのめされます。
私の役に対して『何言ってるかわからない』と言われてしまったのです。
ショックでした。
直ぐには立ち直れませんでした。
もしも映像が残ってるなら、断腸の思いで見ないといけませんね。
だけど、もし今私が当時の自分に会えるならこう言います。
「まず肩の力を抜きましょう」と。
それからお腹の使い方、呼吸の使い方を説明します。
今思えばその当時の身体の使い方だと呼吸が常に緊張した状態だったのです。
役どころとしては、売れ出した作家のところにセールスをしにいく役でしたので、
冒頭のセリフである『ごめんください』ぐらいは、そのシーンに合った役の緊張感で喋れていたと思います。
ですがその当時の私は、呼吸で演じることの意識もなく別のセリフもその緊張のトーンのまま喋り続けるわけです。
言葉の意味としてはお客様に伝わっていたと思いますが、その言葉の背景にあるものは
ずっと緊張しっぱなしの役でしかなく、役がその場その場で何を考えてるかは伝わっていなかったと思います。
その結果、ある演出家に「何をいってるかわからない」と言われてしまったわけです。
その当時の一番役としてはまっていたのは外郎売だったと思います。
それはなぜか?
この役は上京前からずっと毎日練習を重ねていたからです。
その前の無声化や鼻濁音もそうです。
出来て当たり前なんです。
なぜならその役の呼吸を4年間掛けて既に手に入れていたのですから。
しかしながら、毎回新しい課題全てに時間を掛けられる訳ではなく
限られた時間の中で練習するしかありません。
ではその時間をどう短縮できるのか。
それが「呼吸を整える」こと。
呼吸をニュートラルにすることなんです。
呼吸がニュートラルになれば言葉を色んな色に変化させることができ、感情を乗せやすくなり、
身体を楽に使うことができるようになるのです。
整体師としても、呼吸をニュートラルにすることで身体をとても楽に使うことが出来ています。
有難いことに次の日に辛いなと思うことがありません。(もちろんセルフで整体もしていますが)
これは、呼吸を深くすることで寝ている間に身体をしっかり休めることが出来ているからです。
皆様にも是非呼吸の整え方を覚えていただき、疲れない健康な身体を手に入れてもらいたいです。
今回は呼吸のことに特化したお話でしたが、次回は呼吸のその先、
呼吸を言葉にすることも身体にとって恩恵があることを伝えられればと思っています。
本日は最後まで読んでくださってありがとうございます。
あなたの身体がもっと使いやすくなって、毎日が充実した1日になることを切に願っています。
何かわからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。