私にとって革新的だった三つの気づき

こんにちは!
パーソナルケア アインの畠山です。

先日、アニメ「チ。-地球の運動について-」の特別展を観に日本未来科学館に行ってきました。



平日の朝の入館時間30分前にも関わらず、既に50人ぐらい待っている状態にまず驚きました。

土日ならわからなくもないのですが、平日のこの盛況ぶりを見て改めてこの作品の吸引力を感じることができ、展示への期待も高まります。
こんなに並んでいると展示を見て回るのにも時間がかかるのではと覚悟していたのですが、幸い意外とスムーズに回ることが出来ました。

この作品自体はストーリーをメインで追うというよりは、地動説に辿り着くまでの道のりを分かりやすく教えてくれると共に、好奇心を心の奥底に止めず、自分の可能性を大切にして一歩踏み出して欲しいというメッセージが込められているのでは、というのが今回の展示を見終わっての私なりの感想です。

そもそも私がこの作品に辿り着いたのは、YouTubeで小学館のマンガアプリ「マンガワン」の編集者の千代田修平さんの存在を知っていたからです。
彼の漫画に対しての志の高さにとても共感するところがありまして、その彼が担当した「チ。」とは一体どんな作品なのか興味がありました。

その後いいタイミングでアニメが始まることを知ったので見てみたのですが…冒頭から鮮烈な陰惨なシーンが始まり驚愕しました。
このシーン本当にいるの?と疑問が先行し躊躇う気持ちが沸き起こってしまいました。

この先に待っているものが良いものだったとしても、あまりにも見るに耐え難い。
せめて台詞回しだけで表現しても良かったのではとその時は思いました。

ですがこのシーンは時代背景を理解する上で必要だったのでしょう。
当時は地動説を説くことがどれほどの重罪であったかを視聴者に理解してもらうため避けては通れない演出だったのだと思います。

私たちは現在、積み上げられてきた日常を生き、その中で既に確立された地動説を当たり前のように受け入れ、何の疑問も持ちません。
しかし様々な科学の解明が進んでいなかった当時の人であれば、今回のような展示をいきなり見せられても理解できる人は少ないのではないでしょうか。
現代を生きる私ですら、実のところ理解が追いつかない部分がありましたが。

一番興味深かった展示は、金星が満ちる現象を球体の電球を太陽として見立て、その周りを回る金星の見え方を地動説とし、地球の周りを回る太陽達を天動説として二つの説を同時に解説してくれていたものでした。

実はその時はその模型を動かしてもその違いがあまり理解できておらず、他に順番待ちをしている方もいたので取り敢えず写真だけ納めてその場を立ち去りました。
この革新的な発見は、既に地動説が証明されている現代では当たり前のこととして映ってしまい、展示されていてもその凄さは分かりにくいものだなと感じました。

地動説は今の私達にとっては当たり前であっても、天動説を信じていた時代にはその発想自体が考えられない訳です。
空間認識や知識量の違いとでも言えばいいのでしょうか。

例えば普段の通勤の道のりを考えてみてください。
それは見慣れた景色です。
「すべての道のりは日常の風景であり、目を閉じればしっかりと想像できる景色なので、どこかに違和感を持ったり、ある場所に行って何かを確かめたいとは思わない」と言えばわかるでしょうか。

つまり与えられた情報量の中で十分想像できてしまうので行動を起こす動機すら浮かばない状況です。
ですが想像を働かせ、例えばいつもの通り道、気にもかけていなかった「あの場所のビルの隙間」に気づけば、富士山に重なり登りゆく朝日が見られるのだとしたら・・・見に行きたくなりませんか。
それぐらい革新的な気づきがこの金星の満ち欠けから証明されたんだなと思うととても感慨深いです。

学校の授業では文章や写真ぐらいでさらっとしか学んでこなかったので好奇心は刺激されませんでしたが今回の体験で想像で分かったつもりでいたことも改めて模型という立体でその満ち欠けを見ることが知識を体験に変えてくれるとても大切なものであると感じました。

既に証明されているものが日常に存在している状態では我々にとって世界はすべて当たり前の光景でしかありません。
そのような環境の中では気づきの能力も失われ、何にも気づけないまますべてが通り過ぎていく、そんな怖ささえ感じてしまいます。


地動説は技術や発明、そして人の好奇心が幾重にも重なりもたらしたものだと思います。
今回の展示を回っていてルネサンス時代の三大発明を選択する欄を見て得た刺激を、今回のテーマとしてまとめました。



私がそもそもこのブログを始めたきっかけでもある「身体を使いやすくする」を自分なりに紐解いた結果が本日のテーマ『私にとって革新的だった三つの気づき』です。

それでは、いってみましょう!



私は以前、声の仕事に携わっていたこともあり、身体を使いやすくするための考察は主に声を出しやすくするための知識で構成されていました。
丹田を使うこと、腹式呼吸、または身体の柔らかさであったり、文章を声に出して読むことで身体全体を使った支え方など、自分なりの様々な身体へのアプローチは声へと繋がるためのものだったので、一般的な身体作りのための練習としてはお勧めできないと思っていました。

ですが整体に携わることで立つ、座る、歩くといった普段の生活での身体の使い方と声を出すための身体の使い方の共通点はないかとずっと考え続けていると、一つの道筋である「身体を使いやすくする」という目標をテーマに掲げたことで、私も何か見つけられるのではないかという希望を持ち自分の身体と向き合いながらブログを書き続けてきました。

そしてそこから見つけた三つの気付きというのが、「身体を置いてあげる」「背中の積み上げ」「筋肉をイメージして使う」になるのです。

この三つは今回特別に考えたという訳ではなく、今までにもご紹介したテーマ『丹田の意識と呼吸』 『身体に梁を立てる』 『ややトレ⑩-内側を循環させる-』をシンプルに言葉に置き換えてみたというものでもあります。

今回は、身体の動かし方というよりも気付きの部分をお話していこうと思います。


身体を置いてあげる

こちらは元々丹田を意識することが目的なのですが、実際問題身体を動かすことになると力が入りやすくなって使って行くうちにいつの間にか腹筋に力が入ってしまい、呼吸が抜けやすい状態になることを経験したことがあります。

ここでまず丹田に対してアプローチすることは、意識して力を込めるのではなくどちらかといえば力を抜くことを先行することです。
但し身体の力をだらしなく抜くのではなく、上半身を丹田に乗せるイメージを持つことが大切です。

この時肩や足に力が入ってしまっては、お腹周りに余計な力を入れてしまい返って丹田を中心に身体を締めるように使ってしまいます。
この状態では丹田に意識を持っても腹筋に力が入りすぎてしまい横隔膜を上に引き上げてしまうのです。

そうするとお腹に呼吸を溜めるイメージは持てず、呼吸が抜けたような状態になってしまいます。
このケースでは重心が高くなってしまい、身体を支えるための足の力が必要になり、立った状態でも足の外側に力が入っていることが多くなる傾向にあります。


背中の積み上げ

身体を使う上で一番の難所かもしれません。

身体は大まかに分けると丹田を中心に下半身と上半身とで分かれています。
そして身体を使う際には筋力が必要だろうと考えて下半身の強化のためにスクワットをしたり、上半身の強化のためにと腹筋や背筋をして体幹を強くしようとします。

ですがこのやり方ですと、どちらかといえば身体の外側を鍛えることに特化していて身体の中心を使うということに関してはむしろ良い状態から遠ざかる可能性があります。
身体を感覚的に使うことが出来て丹田の意識を働かせている場合もあるのですが、筋肉を固めて使おうとする場合、身体的機能を引き出すことが難しい使い方と言えます。

例えば鞄を手で持つ時握力を使って持つと思うのですが、そのまま継続して長い時間持ったままだと手に力が入り過ぎ疲れてしまうので軽く握り脇や胸背中などに少し力を入れて持つ方法が一般的だと思います。
基本的に鞄を持つ時、意識して持つ人は殆どいないですね。
そんな風に筋肉が働いていることを考えるのは、スポーツ選手やコーチぐらいではないでしょうか。

ですがこのような身体の使い方だと丹田の意識を使うことなく腕だけで使い続けることになり、丹田を意識した時と比較すると明らかに差が出てくると考えます。
背中や肩もリラックスしていないとお腹は使えたことにならないからです。


筋肉をイメージして使う

こちらは先ほどの背中の積み上げと合わせて使うことになります。
身体を使う上で、上半身の使い方として背中の積み上げをする際に私が良くお伝えをしている掌を外に向ける動作ですが、それはこの腹筋をイメージして使うことに繋がっているのです。

掌を外に向けた状態での背中や肩の使い方は、結局のところ腕を使う時は肩は外側へ開く方向に使っていく必要があります。
手を使う際に肩や背中を支えとして使う時、内巻きに使う方が力が伝わりやすく一瞬の力を発揮するのには向いているのですが、それを持続性を持って使おうとすると筋肉はオーバーヒートしてしまいます。
そしてそれが継続して起きてしまうと腱鞘炎や四十肩になりやすい身体になってしまうと私は考えています。

要は大胸筋や三角筋、上腕二頭筋の筋肉、腕を前と後ろの筋肉に分けた時、前側を主に使ってしまうことになるのです。
ですが肩や背中を開く方向に筋肉を使いそれを螺旋のように丹田まで力を伝えるように使うことで腕の筋肉は均等に使えて丹田の意識が出来ていると考えます。
筋肉を使う時に大切なのはしっかりとイメージを持つことであり、それが筋肉を疲れさせない秘訣なのです。


このように挙げた身体の使い方は意識やイメージも大切ですが、何より自分が身体を使っている時に「感じる」ということが最も大切です。
そして身体をトータル的に使うためには先ほどの三つのバランスがとても大切だということです。
今回は気付きのポイントをご紹介することでみなさまの身体の使い方の参考になればと思います。

本日のテーマ『私にとって革新的だった三つの気づき』は以上になります。



思い返せば私が「以前の丹田の意識」で身体を使っていたことが、まさに天動説を唱えている状態だったのだと思います。
力を使うの
だから力を込めること、内側の意識が足りないと思いこみ過ぎていました。
しかし身体の使い方として大切なのは「力を抜くこと」なのです。

まずは自分の身体の置きどころを見つけて使いやすい身体を手に入れてください。



※チ。-地球の運動について-でラファウの好奇心をくすぐったもの


あなたの身体がもっと使いやすくなって、毎日が充実した1日になることを切に願っています。
何か分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。



本日の癒し画像

今回の展示で私の好奇心をくすぐったもの