整体と呼吸と私 -ヒントの素②-

こんにちは!
パーソナルケア アインの畠山です。

前回の『呼吸のヒント -ややトレ③-』はいかがだったでしょうか。
管楽器を演奏されてた方は馴染み深いトレーニングだったと思います。

ロングブレスに対して距離の意識を加えることは、呼吸の流れを意識的に操れるようになることが狙いです。
意識的に操る重要性を感じてもらえると次のお話もわかりやすくなりますので、
普段の生活の合間にややトレして積み重ねていってください。

今回は『整体と呼吸と私 -ヒントの素②-』をお届けします。
お茶菓子など準備してリラックスして読んでください。

『呼吸する』=『感じる』



今回は演劇の稽古と本番の体験談のお話です。
まず体験から導き出した私の結論から言います。

『呼吸する』ことは『感じる』ということです。
逆も言えます。
『感じる』ということは『呼吸する』ことです。

そう感じるきっかけになったのは10年以上前、年に1回舞台の上に立ってお芝居をしていた時の事でした。

その時の役は私の大好きな戦国時代を舞台にした武将、羽柴秀吉の役でした。
後の豊臣秀吉です。

この時代の役を演じられるというだけでテンションは上がっていました。
演劇の世界を離れた今でも、この時代の役なら演じてみたいと思う自分がいます。

当時の台本は途中まで史実通りなのですが、
結末だけ少し新解釈を交えた作品でした。

今でもこの作品は大好きです。
もちろん自分が出演させて頂いたということもあるのですが、
そういった贔屓目だけでなく最後の見せ方が素晴らしく、大好きな作品でした。
作中の音楽も気持ちとリンクしていて凄く良かったです。

この頃の映像が残っているならば、前回の『ヒントの素①』で振り返った私の黒歴史の作品に対する想いとは逆に、今回は素直に見てみたいなぁという気持ちです。
実際見てみたら、きっと恥ずかしい気持ちで一杯になるとは思うのですが(笑)

この作品では
実は信長は助かっていて、それを知らない秀吉の前に信長が現れるという場面があります。

秀吉は、信長は死んだものだと思っていたので突然現れた信長にびっくりします。
そして、天下を手に入れたつもりでいたのも束の間、信長が生きていたなら天下を返さなくてはなりません。

ですが、信長と言葉を交わしていくうちに信長の生き様、器の大きさなど憧れていたすべてを自分が越えられないと悟り、悔しさのあまり感情を信長にぶつけるのです。
そして最後には「信長を射て」と命令するのです。

演出として感情が高ぶるのは良しとされていました。
ただ私は、悔しさのあまり稽古の途中から涙が出るようになってしまったのです。
丁度いいところでいい音楽が流れるんですよ。
それは本番が始まる一週間ぐらい前からでした。

演出家からは泣きすぎないようにと言われてたのですが、我慢しようとすればするほど涙って出るんですね。
自分の冷静な感情とは裏腹に無意識に出てしまうんです。

少しずつ感情を修正して涙は目頭ぐらいで止めることが出来るようになり、いざ本番です。
しかし「本番には魔物がいる」とよくこの世界では言うみたいですが、当時の私の魔物はやっぱり「音楽」でした。

本番の前に行う、ゲネプロ(本番同様の最終リハーサル)の時に舞台のいいスピーカーからいい音楽が流れてくるんです。
すると最早パブロフの犬状態で、音に合わせてまた涙が出てしまうようになりました。
今思えば音響さんもいい感じで煽るような流し方をしていたと思います。

ゲネプロと本番合わせて4回あったのですが、回を追うごとに涙の量が増えてしまいました。
演出家からは、そこで出しきったものに対してのお咎めはありませんでした。
出しきれたことに、今でもあれはあの時の私のベストだったと思っています。

ただ、今の私が当時の私に出会えたならこう言います。

「少し呼吸を意識してみよう」と。

当時は感じるままにお芝居をしていました。
それが正解だとも思います。

ですが今はその感情のコントロールをもう少し意識的に操作できたのでは、とも思っています。

その操作の軸になるのが『呼吸』なんです。
もう少し詳しく言い換えれば『呼吸のスピードのコントロール』です。

ゆっくり呼吸すればリラックス効果。
早く呼吸すれば筋肉を収縮させられて腹筋背筋のトレーニング。

ヨガでいえばドローイングという方法です。

ただ呼吸を早くする時、首や肩に力が入りやすい人は過呼吸状態を作りやすくなりますので、
呼吸のスピードを意識する時は必ず丁寧にすることをお勧めします。

呼吸を深くすることで身体の血行が良くなります。
感覚も研ぎ澄まされていきます。
少しずつご自身で感じながら試して下さい。

『感じる』=『呼吸する』

感じることや呼吸を整えることでも、身体を整えられることを体験して頂けます。
少しずつ自分の身体に耳を傾けるようにしてみて下さい。
必ず何かの反応を返してくれます。

本日は最後まで読んでくださってありがとうございます。
あなたの身体がもっと使いやすくなって、毎日が充実した1日になることを切に願っています。

何かわからないことがありましたら、お気軽にご相談ください